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バリ島を初めて訪れたのは、1992年頃。
毎回、バリ人の大家族宅にお世話になり、日本とバリ、家族ぐるみのお付き合いを大切にして来ました。

影絵芝居(ワヤン・クリッ)の第一人者で、僧侶のデワジ翁亡き後も、こうして変わらぬご縁を頂けて、私は幸せ者です。

いつも、お世話になっているプルナミ宅にて。制作したバティック染めを披露!

DSC01704.JPG 今回は、アジアの伝統的な「バティック」染めも教えて頂ける事になりました。
私の希望を、バリの妹プルナミが工房に交渉してくれたのです。
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京都での着物制作の時は、いつも「ろうけつ」を取り入れているので、以前から布が大好きな私は、是非とも教えて頂きたい!との夢が叶いました。

広い工房は熱かったぁ!

DSC01753.JPG 制作過程は、和の世界「森羅万象」ページに載せますから見てね!
DSC01798.JPG 今回は、久しぶりに画家のイ・ワヤン・シカー氏を、ウブドのアトリエに訪ねました。
彼は20年来の友人であり、5年前には彼のアトリエに通い、一緒に絵を描かせて貰った事がある、私のグル(師匠)でもあるのです。
絵本「まあるいいのち」の火山の絵は、布を使って描きましたが、その技法を教えてくれたのがシカーです。
じーっと見つめて「良く描けてるね」とにっこり喜んでくれたので、嬉しかった!!
最近の彼は、かなり崇高な修行と秘儀を山中で積んでいるとの事で、その作品は黄金色に輝いていました。
DSC01833.JPG 「イルカが来てる!」と聞きつけた家族が、わんさか訪ねて来てくれて、嬉しいよ~!
DSC01842.JPG 毎年、家族が増え続けていて、お土産はすぐに無くなる。
トランクいっぱいの服やら、色鉛筆やアクセサリーやイルカ・グッズを「イルカ屋」として並べます。お菓子もね(^^♪
友人の家族がバリに移住したので、今回、初めてバリ在住の日本人のアーティストの方々にもお逢いしました。
DSC01850.JPG デワジ翁の家族は、皆、素晴らしい才能の持ち主。
いまや孫たちがデワジの後を継ぎ、若手の「ワヤン・クリッ」のダランとして力を付けています。
イルカTシャツを着ているこのバユウは、初めて訪れた時はまだ小学生の坊やでした。天才的舞手として際立っていましたが、今や影絵芝居もこなせる存在となりました。
DSC01872.JPG 「明日、新しい試みの練習をするから来てね」と伝えに来てくれたので、翌日、町の公民館の様な所へいきました。
すると・・・。なんと、兄さんや姉さんたち。
もう一人の若きダラン・デノウも集まってきました。
みんなの目はなによりも厳しく、熱く向けられていました。
家族という前に、皆、その道を極めたプロですから。
「デワジのワヤンには、毎晩のように皆で行ったね」
そんな尊い思い出が、皆の胸に蘇っているように思えました。
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私が驚いたのは、バユウの声がデワジの声そっくり
凄い迫力だった事!いつもはスンごく小さい声で「・・ル・・カ」ぐらいしか聞こえないのに。

「凄いね!」と伝えると、「まだ・まだ・だよ・・」といつもの小さな声で答えた。
隣では、まだ幼い息子のロデイが人形を手渡し、手伝っていた。

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月日は流れて行く。
バリの月日は特に早いように感じる。
植物も人間も直ぐに大きくなる。
私の心身も、バリに行く度に、何かが「ポーン」とはじけるように感じる。
庭では、犬のポロとポレンが見護ってくれている。かつてはいつも見護って下さったデワジのように。
「今もデワジを感じるよ」と言った時、「デワジは、今もイルカを愛してくれているからだよ」とシカーは優しく微笑み、私とプルナミは少し涙目になった。