会議中に「写真撮影に於ける野生生物へのカメラマンのマナー違反行動」に付いて「具体的な事例を教えて欲しい」という私からの質問に対しての返答を頂きましたので掲載します。今まで知らずに取っていた行動などもあるかもしれません。ご参考になさって頂ければ幸いです。環境省の自然環境局野生生物課長 中島様ありがとうございました。
【釧路 オジロワシ】 巣の写真入り記事の報道による生息地の漏えい(H19) →●生息地を明かさないよう、環境省発出の文書で周知
【釧路 テシマウガラス】 ブログによる生息地の漏えい(H20)、ブログ主のガイドツアー →●ロープを張るものの、翌年以後、繁殖地は消失
【釧路 タンチョウ】 カメラマンによるねぐらの侵入、樹木伐採、営巣地への接近 →●地元でパトロールを行ったり、看板を設置
【釧路 シマフクロウ、オジロワシ】 営巣地へ接近すること等により、生息環境の保全への支障 →●H13年に鳥獣保護法に基づき、特別保護指定区域として指定し、原則撮影禁止(~H33)
【札幌 シマフクロウ】 撮影ツアーの動画や、ネット発信を利用してリアルタイムの飛来状況アップ等の過剰な露出、保護林内立入禁止場所の巣箱近辺までの立入 →●繁殖や採餌への影響を説明し過剰な露出を控えるように伝える ●国有林への立入自粛要請文書、シマフクロウ保護増殖事業への協力依頼文書を発出
【関東 トキ】 カメラマンへルールやマナーの普及が進み、問題となる事例は多くはないが、ルールやマナーの呼びかけに応じていただけない事例もあり →●「トキとの共生ルール」を策定し、イベントや報道、HP等で、共生ルール・観察ルール普及啓発
【長野 アカショウビン】 長野県内の有名な飛来地で、飛来情報が確認されると多くのカメラマンたちが押し寄せる →●営巣木近くにおいて長時間の撮影、三脚での場所取りを禁止、巡視を実施(H21頃から) ●H23には営巣木近辺の歩道を雛の巣立ちまで閉鎖(H24、25は歩道付近の営巣なし)
【九州 アカウミガメ、アオウミガメ】 ウミガメの生態に配慮した観察方法が周知されておらず、ライトを使用した観察やフラッシュ撮影が行われ、ウミガメへの悪影響が懸念される →●地域ルールとして「永田浜ウミガメ観察ルール」を策定、「永田浜ウミガメ保全協議会」を設置 ●夜間の永田浜での観察の際は、光を消す、カメラ・ビデオ撮影は行わない等事前にレクチャー
【九州 ヤイロチョウ】 宮崎県内の生息地で、写真撮影などによる人為的な影響が一因となり生息状況が悪化 →●ヤイロチョウの繁殖が想定される期間、立入規制エリアを作り、看板、ロープを設置
【那覇 ヤンバルクイナ】 観察マナーの悪化等(餌付け、過剰接近、交通事故、夜間灯火、駐車問題等の地域住民への迷惑発生) →●餌付け禁止看板を設置、基本的なルールとマナーを周知
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