kokuren10y     
    
DSC09367-1.jpg 第23回野生生物小委員会のが開催されました。今回はいまだ続く新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン形式での実施となりました。議事は以下の通りです。
1)ミヤコカナヘビ、フサヒゲルリカミキリ、ウスイロヒョウモンモドキ保護増殖事業計画策定【諮問】
2)国指定鳥獣保護区特別保護地区の変更等【諮問】
3)その他【報告】
①シベリアイタチの希少鳥獣指定について
②特定外来生物の新規指定について
③ワシントン条約附属書Ⅲ掲載について(トカゲモドキ属、イボイモリ属)
④オガサワラシジミの生息域外個体群の繁殖途絶について
DSC09371.JPG 私からの質問と意見は以下の通りです。

1)フサヒゲルリカミキリについて
現在、岡山県真庭市にしか生息していないと言う報告を受けて。
イルカ:元々は他の地域にも生息していましたか?
回答:(長野県にも生息していた。)
イルカ:この地域のみ生息していると言う事ですので地元の皆さんの関心が強いのですか?
回答:(地元の皆さんの協力の元、保護されています。)
ユウスゲの減少がこれ以上進まない事が大切なポイントになりますね。

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©公益財団法人東京動物園協会

3)オガサワラシジミの生息域外個体群の繁殖途絶について      
小笠原諸島の絶滅危惧種ですが、生息域内外での保全対策の一環で東京都多摩動物公園と環境省新宿御苑でも飼育に取り組んできました。しかし、今春から個体の有精卵率が急激に低下し繁殖が困難となり、令和2年8月25日に飼育していた全ての個体が死亡しました。

「この報告を環境省から受けた時はかなりショックでした。」と私が述べ始めると他の委員の皆様からも大きな同意が寄せられました。
絶滅危惧種を守る為のダブルブロックをかけていたにもかかわらず、繁殖途絶という厳しい現実が浮き彫りになりました。
 
野生下で確認ができていなかった小笠原固有種のオガサワラシジミ。野生下でも絶滅しているなら、日本産蝶類の種レベルにおける絶滅第1号となってしまいます。

・環境省では今後、希少種保全行政に対してはこれを糧に次に活かす事を強く求める。
・引き続き、生息状況モニタリングを継続し、種の存続の為の取り組みを直ちに行うべき。
・(予想以上に急激に固体が減少した事から)緊急時にも迅速な対応が取れる体制を構築する事を改めて求める。
としています。

2005年から飼育下での繁殖の取り組みを開始したとの事ですから、ここまでご尽力された関係者の方々には敬意を表します。