kokuren10y     
    
スクリーンショット (169).png 第30回となる野生生物小委員会、イルカは今回オンラインで参加いたしました。
今回の議題は以下の通りです。
(1)特定外来生物被害防止基本方針の変更について(審議)
(2)国指定鳥獣保護区特別保護地区の指定(宮島沼、日出島、伊豆沼)について(諮問)
(3)その他(報告事項等)
・トキと共生する里地づくり取組地域の公募結果について(報告)

前回7月に行われた会議からその間に行われた地域の報告をまとめた報告書について、3度目の会議が行われました。
(2)国指定鳥獣保護区及び特別保護区について
各地域からの報告がありましたが「特に意見無し」という事が気になりましたので、私からは以下2点を質問させて頂きました。
●意見が無いというのは問題が無い。という事か?関心が低いという事か?
●会議に出席されるのはどの様な方々なのか?毎回同じ方々?    
お答え:毎回同じ課題が多い為、特に変わった意見は無い。という事です。との事でしたが他の委員から「小麦は真ガンから多大なる被害が出ているので問題は大きいと思います」との報告もありました。
ですので、私からのまとめとして
「会議からのご意見は重複しても常に現時点での報告を入れて頂きたい。そして会議へはなるたけ地域に密着した方々に出席して頂ける事が望ましいですね。農家の方々はあまり雄弁にお話できる方も多くないと思われるので、環境省の皆様が日頃、現場に伺う時に地域の皆様のお話を聞いてお伝え願えますか」と意見を述べました。
 
(3)トキと共生する里地づくり
トキもだいぶ増えて来たので年末あたりから地域を広げ本州での放鳥も行われる予定との事です。その事について絶滅危惧種であったトキの再導入という根本的な意味を熱く議論する展開になり有意義な話し合いが行われました。
野生のトキ復活と言っても再導入のトキ7割が中国からのトキです。「今後トキが増えた場合、他の生物に害を及ぼす事もある事を忘れてはならない」「その地に適応した生物がその地に生きる事が基本的に大切である」又「遺伝的多様性」という事も議論されました。
「生物には本来、その生物に寄生しているミクロの生物もある事を忘れてはならない。なので再導入されるトキは昔のトキそのまま復活するのでは無い。」
「トキの再導入はトキ自身が望んだ事ではなく人間が望んで始めた事では無 いのか」
又最後には
「どうして絶滅危惧種を再生させるのか?今後は環境省としての姿勢をよりはっきりと出す必要があるのではないか。」と各委員から活発な意見が出ました。
永きに渡り研究をされていらした野生生物の研究者や専門的な学者さんたちから次々と熱い意見が出て、皆さんに共通しているのはずっと私が思って来た事「人間だけの地球では無い」という熱い思いを感じ、嬉しく有意義な会議になったと思いました。
外来種の問題や絶滅危惧種そして保護という人間からの考えと行動に明確な答えを出すのは難しい。しかし、いずれにしてもこの生態系、宇宙の成り立ちを崩しているのは人間ですから、日常生活から「人間だけの地球では無い」と意識して暮らして行く事がより重要だと再認識しました。